日刊木材新聞 2015年1月16日(金)付
[文科省] 利便性高い資料作成目指す
木造校舎の構造設計標準の在り方に関する検討会
文部科学省は14日、7回目となる「木造校舎の構造設計標準(JISA3301)の在り方に関する検討会」を開催した。同標準の改正案は昨年12月11日の日本工業標準調査会の審議を経ており、3月下旬にも国交省から告示改正される見通しだ。これを前に今月15日~3月15日までの60日間にわたり、パブリックコメントの募集期間(意見受付公告期間)を設ける。
木造校舎のJIS検討会
「木造校舎の構造設計標準(JISA3301)」は1956年、木造技術に精通しない設計技術者が容易に木造校舎の建設に取り組めるように制定された規格。だが、現在まで大幅な見直しはされず、形骸化していた。
公共建築物等木材利用促進法の施行などを受け、文科省は「木造校舎の構造設計標準の在り方に関する検討会」を組織し、2013年3月に改正の方針を示した報告書をまとめる等、改正に向けた取り組みを進めてきた。
改正点には、機械プレカット加工を想定していることや、構造部材の使用材料に製材品に加え構造用集成材や構造用合板が盛り込まれるなど、現在の木材加工や流通に基づいたものとなっている。
今回の検討会では、JIS改正に合わせて公表される予定の「JISA3301を用いた木造校舎に関する技術資料」について討議した。建築確認申請手続きまで考慮する等、より実践的で設計技術者の利便性が高いものとなることを狙い、様々な角度から検討が加えられた。同資料は意匠・構造双方の設計事例や構造設計書までを盛り込んだ汎用性の高い手引書となる見通しで、JIS改正に合わせ3月下旬にも公表される予定だ。
なお、改正を前に意見受付公告が設けられる。意見受付公告は、一般財団法人日本規格協会が発行する「標準化と品質管理2月号」でタイトルのみ掲載し、改正案については文科省ホームページ(http://www.mext.go.jp)に掲載する。