日刊木材新聞 2015年1月6日(火)付
【非住宅木造】先端技術開発・コスト競争力がテーマ
中長期的に新設住宅着工は減少
住宅向けのプレカットを活用
新たな構造や工法によらなくても、在来工法、機械プレカットの範囲で商業施設や事務所など低層建築物の分野では木造化の波が押し寄せてくる。
木造住宅向けのプレカット工場は木造建築のインフラとして機能し、一般に流通している柱、梁材などのサイズ、長さの範囲で8メートルくらいのスパンを飛ばせるような工法開発が盛んだ。こうした取り組みはプレカット工場などで積極的で、14年には中大規模木造プレカット技術協会(会長=稲山正弘東京大学大学院教授)が設立され、プレカット工場も多数参加した。全国木造住宅機械プレカット協会(櫻井秀弥会長)も15年から中大規模木造建築物を対象にしたプレカット工場のCAD対応などをまとめていく方針だ。
非住宅物件は住宅に比べて大きく、例えば300坪の高齢者施設を小手のプレカット工場が受注すると、他の物件の加工が入らなくなる可能性がある。そのためプレカット工場間の連携で非住宅物件の加工を融通し合おうという考えで活動しているのが大規模木造建築サービスセンター(工藤恭輔会長)で、実際の物件も受注している。